映画 『トゥヤーの結婚』
2006年 中国
21世紀初頭の中国内モンゴル自治区。
こういう世界がまだある。
砂漠化が進み羊の放牧も遠方へ々々と行かなくてはならなくなってきた。
水の調達もままならない荒れた原野。
水は数十キロ離れた井戸まで汲みにいかなくてはならない。
井戸掘りの事故で足が不自由になった夫の分まで働きながら貧困と闘うトゥヤーの生活は苦労の連続だが、2人の子供とともにたくましく生きている。
過労から腰を痛めたトゥヤーを見かねた夫のバータルは、彼女に離婚を切り出す。
自分だけでも彼女から離れれば、それだけトゥヤーの生活が楽になるだろうという気遣いから。
トゥヤーはこの申し出を受け入れ離婚をする。
自分と家族を養ってくれる男と再婚することを決心する。
だがその条件は、別れた夫バータルが自分や子供たちと同居することだった。
再婚を決心したトゥヤーのもとに、次々に結婚を申し込む男たちが現れる。
特に石油成金の幼なじみボロルが、十何年思いを寄せていたといい、結婚を申し出る。
この豊かな彼と結婚すればトゥヤーや2人の子供たちは救われる。
しかしバータルの同居ををどうしてものめないボロルはバータルを施設に預ける。
バータルは傷つき自殺をはかる。
いつも静かなトゥヤーは 「今ここで死んでくれ、自分と子供も一緒に死ぬ」と怒る。
そんな時、女房に駆け落ちを繰り返されている情けない隣人センゲーが
トゥヤーのために井戸を掘り始める。
彼を心配して井戸にもぐってきたトゥヤーに、井戸の底でプロポーズをする。
トゥヤー一家に起こった全てを見ていたセンゲーは、彼女とー家全員を理解し愛している。
彼は心からバータルを受け入れてくれる男だった。
センゲーとトゥヤーの結婚式で、バータルは祝い酒を飲む…。この心境は複雑だ。
皆に祝福されるその日、トゥヤーは幸せとはいえない複雑な顔をしている。
外では子供が2人のとうちゃんがいるといじめられている。
どんな苦難にも凛然と立ち向かってきたトゥヤーは、部屋に逃げ込んで初めて泣く。
それは、結婚はしたけれど、前途多難であることを物語っている。
07年ベルリン映画祭金熊賞受賞。
外部リンク 内モンゴル
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